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【『ノモンハン : 見下ろす神、地を這う神』 第七十九回】 [ノモンハン考]

☆すんませんです^^;

先週の初頭、東京は西多摩地区を襲った集中豪雨…、その激しい雷雨による停電で、私の家のインターネット環境が崩壊し、四日間、ネットを使えなかったので更新が出来ませんでした。

では、『ノモンハン :地を這う神々の境地』です。

   ◇   ◇

 第十四柱   陸軍曹長 <石田 昌平>

    「勇士臨終の願い」

 石田軍曹は大隊本部附で頑張つてゐた。第四中隊との連絡のために、大隊副官が出かけてゆく時、軍曹は呼ばれた。

「火急のことで、俺は本部を離れなけりやならない。帰つてくるまで、暫くの間頼んだぞ」

 軍曹は鵜の目鷹の目で、油断なく警戒した。

 敵の戦車砲弾は、間断なくあちこちに炸裂してゐたが、そのうちの一弾は、軍曹のすぐそばに落下して、左の下腿部に破片が命中した。

 一度倒れたが副官殿が帰られるまではと、すぐに起きあがつた。けれどもよろよろとよろめくのである。

 自分で自分を叱りながら、局部を手当し立上がつた。けれども出血で、次第に意識が遠のいていく、やがて倒れたが、倒れると気がついて、

「副官殿が……帰られるまで」

 と立ち上がるのだつた。

 そこへ帰つてきた副官は、この有様を見、軍曹のそばへ駆け寄つて、支へるやうにしていつた。

「石田軍曹、副官だ、帰つてきた。御苦労だつた。よく守つてゐいてくれた」

 すると、軍曹は気がゆるんだか、返事もしないで、ガツクリ伏した。

 しばらくして始めて、

「副官殿でありますか、大隊長は御元気ですか……」

 この期に及んで、上官のことを思ふ心根に感動しながら、

「大隊長は至つて御元気だ。戦闘は有利に展開しつつある。安心してもうしばらく辛抱しろ」

 軍曹は又目を閉ぢた。閉ぢたままいふ。

「安心しました」

 副官は、「待つてゐろ、いま、大隊長を連れてくるから」といひすててかけていつた。

 間もなく大隊長馬場少佐が、弾雨を冒してやつてきた。

「石田、よくやつてくれたな、馬場だ」とやさしく声をかけると、軍曹の顔はもう蒼白に変じてゐたが、両頬にかすかに微笑の陰がさした。

 副官はそばへ寄り添つて、「石田、何かいひ残すことはないか」と聞くと、「豫ての覚悟であります。何もありません」と答へたが急に手を突張つて、上半身を起しかけると同時に、かすかに「天皇陛下万歳」と叫びつつ倒れて行つた。

   ◇   ◇

ここで言う「天皇陛下」は、天皇陛下でありながら、逝く軍人が思い描く「日本の全て」なのである。

                                                         (2008/08/09)
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コメント 4

MUTI

ネット環境に問題があったとのこと。
8月5日に送信したメールは確認いただけましたか?
by MUTI (2008-08-11 09:17) 

想像湧水

>>MUTIさん♪

こんばんわ^^

不義理してすいません。

メールは、確認できませんでした。

すいません、もう一度、送って頂けませんか?

すいません^^;
by 想像湧水 (2008-08-11 22:10) 

MUTI

すみません。
私、今帰省していまして、送信したメールのデータが手元にないんです。
週末までお待ち下さい。
by MUTI (2008-08-12 23:12) 

想像湧水

>>MUTIさん♪

メール届いています^^
明日の更新に活かさせて頂きます。

なお、私のことは「蘭さん」でいいですからね^^

ここでの名前を変えようと思っているのですが、変えられないので、そのままでもいいかなと・・・^^;
by 想像湧水 (2008-08-19 21:38) 

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